私の転職日記~転職活動の始まり~

学生時代

私も転職経験者です。偉そうなことを長々と書いていますが、私の転職活動は「華麗なる転身」からはほど遠く、挫折と苦悩の繰り返しの日々でした。転職の理由もポジティブなものではなかったため、転職に対するモチベーションが一行に上がらず、元来面倒くさがりな私は中々一歩を踏み出せずにずぶずぶと楽な方へと逃げる毎日でした。こんな私でも転職できたのは、ある一人の面接官の言葉のおかげでした。

映画が大好きで映画のカメラマンになりたいと思い、親の反対を押し切って私は映画専門学校へと入学しました。同世代の中での映画に関する知識ならだれにも負けないだろうと思っていたのですが、上には上がいるという言葉通り、専門学校には私なんかよりもはるかに映画が好きな同級生が沢山いました。専門学校では映画を作る技術を教えてくれるのですが、授業に出るたびに先生方は「こんな所で学んだ技術は現場では全く役に立たないから覚悟しておくように」と口を酸っぱくしていうのでした。ではなぜ今こんなに必死になって技術を学んでいるのだろうと私の映画造りに対するモチベーションはだんだんと下がっていきます。さらに特別講師として来校したプロカメラマンに、「体力、筋力ともに男性からは劣ってしまう女性は、カメラマンには向いていない」とバッサリと言われてしまいました。それでも何とか「夢」を信じ、女性特有のセンスで体力をカバーしようと努力したのですが、それも難しく、女性にとってカメラマンになるということはとてつもなくハードルの高いことだということを思い知らされてしまいました。そんな中、授業で書かされたシナリオが好評を得て、それを元に短編映画を学校内で製作することとなりました。シナリオを書くのは初めての経験でしたが、元々読書が好きで文章を書くことも好きだった私にはとても楽しい作業でした。シナリオなら、体力がなくても出来るかもしれないと思い、それからはシナリオライティングを中心に勉強を続けました。

初めての就職

シナリオの楽しさを知り、順調に勉強を続けていた私でしたが、就職活動を始める段になってシナリオライターとしての実務経験がない私にはライターとしての就職は困難なことが分かりました。迷った末、就職担当の先生に勧められたテレビ製作会社での事務の仕事に応募することにしました。事務の仕事は未経験でしたが、残業がなく土日休みなため、空いた時間にシナリオの勉強を続けられるのではないかと考えたからです。初めての就職活動、初めての面接。なにもかも初めてで、面接の前日には眠れないほど緊張しました。面接当日、テレビ製作会社ということで大きな事務所を想像していたのですが、行ってみるととてもこじんまりとしていてちょっと不安になりました。面接を担当してくれたのは3人の男性で、全員が大阪弁でした。聞くと大阪に本社があり、東京の事務所は支店で従業員は10数名とのこと。人見知りな私にはとても魅力的に感じる条件でした。面接は和やかに進み、後日合格の電話をいただいて無事就職が決まりました。採用は契約社員としてとのことでしたが、就職氷河期と言われる時代に1つの応募だけで決められたのは、今思うと本当にラッキーだったと思います。前任者の退職に伴う募集だったため、専門学校を卒業してすぐに私はその会社で働き始めました。他の友だちが最後の春休みを満喫するなか、前任者との引継ぎのために私だけはやくも出勤しなければならないというのはちょっと辛いところでもありましたが、そんなことは言っていられません。前任者の方はとても性格がきつく、何度も打ちのめされそうになりましたが、あと2週間でこの人は辞めるんだと自分に言い聞かせて乗り越えました。仕事自体は慣れてしまえば簡単な、悪く言えば単調な仕事で、つまらないと感じることも多かったのですが、職場の人間関係が非常に良好だったのでとても楽しく働くことができました。カメラマンを目指している同世代のアルバイトの子や、テレビ番組などで活躍するプロのカメラマンに囲まれての仕事はとてもやりがいがありました。しかし、契約社員だったため3年で契約終了となってしまい会社の方針で更新はしないと告げられてしまいます。それを言われたのが2年目の4月ごろでした。来年の今頃は違う仕事をしているのかと不安な気持ちと、せっかく仕事が楽しくなったのにという淋しい気持ちが入り混じっていましたが、まだ一年あるから大丈夫という変な安心感も抱いていました。

転職活動の始まり

1年後に向けて転職活動をするのは早すぎる気がして、春の間はなにも行動を起こさずにいつもと変わりなく過ごしていました。夏頃になると、心配してくれた会社の上司が「転職活動うまくいってる?」と声をかけてくれるようになりました。ですが面倒くさがりの私は「まだ夏だし」という気持ちで全く転職活動をしていませんでした。秋になり、段々と「仕事決まった?」と聞かれる回数が増えてくると、私にも一抹の不安がよぎり始めました。そこでインターネットの転職サイトを覗き、とりあえず登録だけして一歩前進したと悦に浸ることに。やらなきゃなーとは思いつつも、中々行動に移すことが出来ず、いつの間にか冬になっていました。そのころになると「仕事決まった?」と聞かれるのが億劫に感じるようになっていました。宿題やりなさいと怒られた小学生が今やろうと思ってたのにと感じる心理でした。また、さすがにそろそろ仕事を探さなくてはと思い始め、登録した転職サイトをじっくり見てみることにしました。いろいろと条件を入れて検索すると、意外にも沢山の検索結果が出てきました。そこで私は「こんなにいっぱい仕事があるなら何かしらみつかるだろう」と高を括ってしまったのです。とりあえず今は今の仕事を楽しもう、貯金もあるし、仕事を辞めて一か月ぐらいのんびりしてから転職活動しよう、という浅ましい考えを持った私は、たまに暇つぶし程度に転職サイトを除く程度で、真面目に活動することを止めました。そうは言っても3月に入り、後任者に仕事の引継ぎを終えて無事退職した私は、やはり少しだけ不安になり、とりあえず貰えるものは貰おうという気持ちで失業保険の申請のためにハローワークを訪れました。4月の2週目の平日だったのですが、ハローワークはものすごく混雑していました。「今の時期が一番混むんです」と係りの人が教えてくれました。待ち合いの椅子も足りず、廊下にまで人が溢れるほどでした。結局書類を出して手続きするだけで1日かかってしまい、就職相談はできず仕舞いでした。そして私はそこで、失業者の多さを実感し、もしかしたら転職はそんなに簡単なものでもないのかもしれないという事実に遅すぎるタイミングで気付いてしまったのでした。

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